4月1日から改正高年齢者雇用安定法が施行されますが、実務としては何をすればよいのでしょうか。
経過措置により以下のように一定年齢以上の者に継続雇用の基準を定める場合は、3月31日までに労使協定を締結してその基準を定めておく必要があります。(就業規則のみでは不可です)
(例)
・過去2年間の出勤率が80%以上の者
・直近3年間において減給以上の懲戒処分を受けていないこと・・・その他
従来から協定していた場合はそのままの基準でもよいし、新たに設定することも可能です。
一方、原則どおり希望者全員を継続雇用する場合にも、指針(厚生労働省告示第560号)によって「就業規則の解雇事由・退職事由(年齢は除く)に該当する者は継続雇用の対象外とすることができる」ことから、就業規則に「継続雇用しない事由」として別途規定したほうがよいでしょう。ただし、就業規則の解雇事由・退職事由と別の事由を追加することはできないので、現行規則の解雇事由・退職事由条項そのものを見直しおくことも必要かもしれません。
さらに、休職中に定年を迎えた場合はどう取り扱うかなどのルールや、同じく4月1日から施行される改正労働契約法との関連で、定年後継続雇用期間が5年を超えた場合の「無期契約への転換申し込み」を想定した事前対策・・など。
また、賃金など再雇用後の労働条件については就業規則で全員一律に規定するよりも個別の雇用契約によって定めるほうが現実的でありリスクも少ないと考えられます。
上記以外にも様々な事態を想定して就業規則の全般的な見直し等の機会にするのもよいかもしれません。